講演者 | 稲葉 寿 氏(東京大学 大学院数理科学研究科) |
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講演題目 | 基本再生産数理論の発展 |
日時 | 令和元年7月26日(金)16:00〜18:15 |
場所 | 東京理科大学 神楽坂キャンパス PORTA神楽坂7階 第3会議室 https://www.tus.ac.jp/info/access/kagcamp.html https://www.tus.ac.jp/info/campus/kagurazaka.html |
講演概要 [PDF] | 基本再生産数の概念は感染症数理モデルのキー概念である.そのアイディアは1920年代におけるロトカの安定人口モデルおよびケルマック・マッケンドリックモデルにおいて現れているが,普遍的で現代的定式は1990年のDiekmann, Heesterbeek and Metzによる定義論文によってはじめて厳密に与えられ,感染症理論の現代的発展を導いた.さらに2006年には Bacaër and Guernaouiによる周期系における定義によって,変動環境における閾値現象へと適応範囲を広げた.本講演では,さらに一般の時間変動環境において基本再生産数を定義し,それが線形系における個体群増殖の閾値であるだけでなく,非線形非自律系によって定式化される変動環境における個体群の存続と絶滅の閾値として機能することを論ずる. |