日本は世界有数の地震多発地域であり,鉄道においても車両あるいは構造物などに大きな被害を受けています.特に地震による脱線事故は乗客への被害,事故処理の困難さから鉄道の安全に重大な影響をもたらし,防止する必要性が非常に高いです.脱線防止手法の開発は多く行われていますが,その研究に主に用いられている手法は,実際の車両,軌道,構造物をモデル化し,シミュレーションを行うというものです.このモデルは鉄道車両の構造を忠実に再現できていることはメリットなのですが,最も脱線に影響を与えた要素を特定することが難しく,また計算時間が長くなりがちになるというデメリットもあります.本研究では鉄道車両モデルの自由度を必要最低限のものに設定した上で,脱線をはじめとする地震時の車両挙動が再現できるか検証を行いました.