電磁ダンパの連携による自動車の減衰特性の独立チューニングに関する研究
従来,自動車用のサスペンションは,油圧によるシステム等が主流でしたが,近年では脱オイル化,省エネルギ化,制御性の向上を目指した次世代のサスペンションとして,電磁デバイスを用いた新たなサスペンションシステムが提案されています.電磁デバイスはモータに接続する回路によって,パッシブダンパ,アクチュエータ,エネルギ回生,センサ,ばねなどの様々な機能を持たせる事が可能であり,また,モータ端子間を電気的に接続するだけでデバイス同士の連携が容易に可能であるという特徴を持っています.これらの特徴を応用した例として独立減衰回路によって2つの電磁デバイスを連携することで車体の上下・回転方向の減衰特性を分離し,独立に調節する手法が提案されており,本研究ではその有効性を自動車を模擬した実験装置を用いて検証しました.