会議室:「電磁気学(講義&演習)BBS
Ask Q on web.」
Assignment
発言者:満田
( Date:
2005年
04月
01日
金曜日
18:41:32)
●Assignmentの出題/提出期限/返却(演習時間おけるフォローアップ解説)の予定
について書き込みます。
満田
さんからのコメント
(
Date: 2005年
04月
12日
火曜日
15:15:16)
●Assignment
(宿題)1
は
問題2.1の(c)&(d)
問題2.7
問題2.8
の3問です。問題2.7はガウスの法則を用いず、ベクトル的足し合わせで求めること。
AssignmentTA(穐本/島本)
さんからのコメント
(
Date: 2005年
04月
25日
月曜日
20:28:56)
Assignment#1の答案講評
皆さん方の答案内容について,採点規準を含めて,一般的なコメントをしたいと思います。
(1):すべての問題について,解答を書く場合に「対称性」という言葉のみでは説明としては足りません。クーロンの法則の場合,「重ね合わせの原理」に加えて,「空間の対称性(等方性)」「電荷の配置(分布)の空間的対称性」を吟味しなければ,2.1の「電場はまん中ではゼロ」,2.7,2.8の「電場の動径方向成分のみ残る」を主張することは出来ません。満田先生が講議でおっしゃられていたように,「重ね合わせの原理」は自明なものでは無く,大事な実験的事実です。
(1)補:2.1について,「対称性より0」という解答は,上に記した理由から点数を与えていません。ただし,「××の対称性からゼロ」など,何らかの説明がある場合は部分点を与えています。
(1)補:2.7,2.8について,「対称性から動径方向のみの電場を考える」という説明を行っている場合,同様に減点しました。これも「電荷分布の」というような補足説明がついている場合は減点していません。
(2):電場や磁場はベクトル場ですから,空間の各点で方向を持ちます。この電場の方向を書いていない方が多くいました。物理的な理解,という観点からも電場のベクトル場としての性質は重要なことですが,実際の電場の計算において途中までベクトル表記して,次のイコールでスカラーになってしまうというような間違いを犯さない為の計算上の注意事項としても大事なことです。2.7,2.8の解答について電場の方向に関する議論を行っていない場合は,(電場の大きさの結果が正しかったとしても)この理由から減点しました。
(3):問題2.1について:正13角形の中心を原点として,各電荷の座標を考えてそれぞれが原点に作る電場の成分を足し算して...という所までは良いのですが,sin,cosの足し算を「関数電卓を使って計算した結果」0であると結論している解答がありました(≒0(!)という解答もありました)。大変面白い「実験的結果としての」解答ですが,論証としては零点です。
(4)2.7について:球表面上の電場を求めている解答がいくつかありました。球表面上の電場の強度は,球表面の外近傍の半分になる,とする解答がすべてでした。
この点に関して,満田先生からの御教唆として,
『問題2.6の円板上の電場はゼロ!と物理的には同じ話で、球表面上では0とσ/ε0の平均値σ/2ε0で球表面の外近傍の半分になっています。(実際、z=Rとして積分すると半分が答えで出てきます。球面で曲がっているからゼロにはならない??)』
を頂いています。私(穐本)の個人的な見解としては「考えるべきではないのではないか」と思うと同時に「論理的には『○』だが,物理的には『?』」です。これが「正答」というものは持っていません。
(i)2.8で2.7の解答を用いて,球殻の集まりとして球を考えることができますが,この時2.7の解答として,表面電荷密度σを用いたままの表式(r>Rの場合),(R^2
σ)/(ε0 r^2),を使い,これをRについて0からRまで積分すると,(R^3
σ)/(3 ε0 r^2)となって,σを「体積電荷密度」として再解釈すれば正しい答えになります。(また)私の勘違いという可能性も大いにありますが,この「再解釈」には少し気持ち悪さを感じます。この事と「表面上の電場」の問題との関係は現時点でははっきりとは言えませんが,もう少し考えてみます。
(ii)おそらく講義ではまだそこまで進んでいないと思われますが,「静電エネルギー」から何か言えないか,と考えています。「電荷分布を作り上げる為に必要な仕事」と「電場の持つ静電エネルギー」は一致するはずですが,球面上にも電場があった場合は「電場の持つ静電エネルギー」分だけ相違がでるのでは...計算で示した訳では無いので,まだ何とも言えません。
(iii)なお,球表面上の電場も求めている人については,その点に関して減点も加点もしていません。(他の部分が正しければ満点と言うことです)
(5)解答に際しての注意:2.7と2.8について,テキストの問題文には「全電荷qを用いて解答を書きなさい」と書いてあるのですから,指示には従いましょう。表面および体積電荷密度のままで書いている人が多く見られました。とは言え,必ずしも物理が間違っている訳ではないので,この点に関して減点はしていません。
(6)遅れて提出された答案については,まず満点で採点し,8掛けを入点としました。
以上です。
満田
さんからのコメント
(
Date: 2005年
04月
26日
火曜日
16:05:21)
Assignment (宿題)2
は
問題2.18
問題2.21
問題2.28
の3問です。
AssignmentTA(穐本/島本)
さんからのコメント
(
Date: 2005年
05月
16日
月曜日
17:13:51)
Assignment#2の答案講評
ヒストグラムを見て頂ければ瞭然かと思いますが,全体としての出来は前回より良かったです。
(1):配点は,
Prob.
2.18:30点,
Prob.
2.21:r>RのV(r)に対して15点,rのV(r)に対して15点,グラフ5点,全体で35点,
Prob.
2.28:35点,
が満点です。
(2):2.18について,「重なっている領域全体で一定であること」を示す必要がありますが,「球の中心点の間を結ぶ線上で,電場の大きさのみ」を評価して,あるいは,「中心点間の中心のみで,電場の大きさのみ」を評価して,「一定」と示している解答がありました。これは必ずしも完全な間違いとは言えませんが,議論として足り無いので部分点を与えました。
(3):2.18について,2次元座標を設定して解析幾何学的な解き方をしている解答のうち,系の3次元性について言及していない解答については,注意書きはしましたが,減点はしていません。
(4):2.18について,数は少ないですが,「球の表面のみに電荷が一様に分布している場合」と勘違いしておられる答案がありました。確かに一定でかつ電場はゼロですが,設定として間違いです。
(5):2.21について,問題には「電位の基準を無限遠方にとりなさい」という指定がありますが,基準を原点にとっている答案がいくつかありました(特に内側の電位について)。
解答自体,物理的に間違っている訳ではありませんが(球内の電位「差」は同じになります),2.28との絡みで考えた場合,eq.(2.29)は無限遠方を基準として得られた式ですから,2.28で得られた電位が一致することはありません(Helmholtzの定理を考えても同じです)。その結果としてかどうかは分かりませんが,両方間違ってしまっている方が何人かおられました。
(6):2.28について,極座標での積分を行わなければならないのですが,この時の積分範囲は「電荷が分布している範囲」ですので,動径方向については「0から球半径Rまで」となります。積分を実行するにあたり,電位を求めたい点(記号をrとする)と,積分変数(記号をr'とする)との大小関係から,絶対値を場合分けする必要があります。
このとき,球の内部であるから,「r」かつ「r'」ではありますが,必ずしも「r」や「r>r'」となるとは限りません(反対に電位を求めたい点が外部にあるなら必ず「r>r'」となります。正確には「r>R>r'」)。
この辺りで「積分変数」,「球の半径」,「電位を求めたい点」が混乱してしまっている方が見受けられました。
(7):2.28について,問題は「球の内側のみ」を問うていますが,外側も求めている答案がいくつかありました。この点に関しては加点も減点もしておりません。
(8):最後にまた苦言になってしまいますが,答案はなるべく論理をはっきりさせて,丁寧に書いていただけると有り難いです。特に「日本語」が全くないと,式の運用について採点者が答案を解読することができず,ひいては点をつけることが出来ません。
なお,採点に関して質問がある方は,直接AssignmentTA(穐本/島本)の所に来ていただけるとありがたいです。1号館8階の大学院生室におります。
満田
さんからのコメント
(
Date: 2005年
05月
17日
火曜日
16:09:08)
assignment#3は2問です。
問題2.34:解答では、半径aおよびbの球殻が持つ自己エネルギーは?、Cross-Termは?、No
superpositionは?に注意して単なる計算に留まらないように注意して記述してください。
問題2.36:ただ、数式を羅列するのではなく、どういった論理展開により結論に至かを言葉を添えて丁寧に解答してください(それを含めて評価します)
AssignmentTA(穐本/島本)
さんからのコメント
(
Date: 2005年
05月
29日
日曜日
18:09:10)
Assignment#3の答案講評
今回の問題は,数式運用がどうのこうのというよりも,電磁気学の基本的概念が理解出来ているかどうかを問うものであったからだと思いますが,点数の分布に多少のばらつきがあり,また多種多様な間違い(!)が見受けられました。
(1):配点は,
Prob.
2.34:(a)20点,(b)25点,
Prob.
2.36:(a)15点(5点×3),(b)10点,(c)10点(5点×2),(d)8点,(e)12点(3点×4),
が満点です。
(2):2.34について。(a)は比較的良く出来ていました。しかし,静電エネルギーの積分範囲が「全空間」であるということに関して配慮が足りていない解答がいくつか見られました。内球内,球間,外球外の三つに場合分けして計算するのは良いのですが,最終的に足し忘れていたり,などなど。静電エネルギーがrの関数になっている解答には驚いてしまいました。
(b)について,問題の設定を取り違えてしまっているのか,結局(a)と同じ論旨の解答になってしまっている方が何人かおられました。つまり,先に電場を重ね合わせてから,計算してしまっているということです。E_1,E_2の区別は球間とその他の領域などに設定していました。これじゃ必ずcross
termはゼロになってしまう!
(3):2.36(a)について,求められているのは表面電荷密度ですが,全電荷のみを解答している方が見受けられました(つまりσ_a=-q_aなど)。問題文には「surface
charges σ_a,...」と書いてあるので,ここだけで逐語的に解釈してしまったのだと思います。しかし,教科書を良く読めば密度だと言うことは分かると思います。完全に間違いと言う訳では無いので,減点にしました。
あと,なぜ内部構造に関係なく最外表面電荷までもが一様に分布するのか,一言でも触れていただけると良かったかな,と思います。コメントはしましたが,減点はしていません。
(4):2.36(b)(c)について,いつもの小言になってしまうのですが,電場はベクトルなので,どこを原点にとってどこを向いているか定義を明らかに書くように注意してください。(b)では減点していませんが,次の(c)では,各空洞の電場の単位ベクトルの定義が違うはずなので,同じ記号を使って何も注釈を付けていない解答は減点しました。
(5):2.36(d)について,理由の如何によっては減点せざるを得ない解答もありました。その減点箇所についてはコメントしてあります。また,理由が全く書いて無い,論理の解釈が不可能,あるいは見当違いの式を拠り所にしている解答は採点できませんでした。
(6):2.36(e)について,原則的には減点法ではなく加点法で採点しました。
(i)全く説明のない解答に対しては点を与えることが出来ませんでした。
(ii)(a)から(d)までの解答(諸物理量)がどうなるか,が問われていることなので,解答が正しいと思われるものでも満点を与えていない場合があります。例えば「外の電場が変わる」だけしか書いていない場合,E_outsideのみでσ_Rには言及していないのでその分は点を与えていません。
以上です。
満田
さんからのコメント
(
Date: 2005年
06月
07日
火曜日
16:00:15)
Assignment#4は
問題5.19、問題5.13(b)および問題5.13(a)です。
(講義中に、問題5.13(a)を解いたつもりになっていましたが、これは円柱表面を流れるお話でしたので、Assignment#4として出した問題5.13(b)に加えて問題5.13(a)もAssignment#4に含めます。
講義が思うように進まなかったので、もう一問考えていましたが、出せませんでした)
AssignmentTA(穐本/島本)
さんからのコメント
(
Date: 2005年
06月
20日
月曜日
01:06:04)
Assignment#4の答案講評
今回は,Prob.
5.13は良かったのですが,Prob.
5.19については問題の意図を読み取ることが難しかったようで,分布にはばらつきが出ました。
(1):配点は,
Prob.
5.13:(a)sの場合,s>aの場合各15点,(b)も同様に15点×2,
Prob.
5.19:(a)〜(d)まで各10点,ただし(d)についてはf_e/f_m,f_eについて各5点,
が満点です。
(2):5.13(a)について。比較的良く出来ていました。これまでしつこく注意した甲斐があってかどうか分かりませんが,ベクトルとしての磁場の向きについて丁寧に書いている解答が多くありました。これは採点している方としては嬉しい限りです。しかし,それでも(それゆえ)磁場の向きについて明記していない解答については減点せざるを得ませんでした(2点減点)。
(3):5.13(b)について。
(i)
前問に同じく,磁場の向きについて明記していない場合,2点ずつ減点しました。
(ii)
電流密度の比例定数を定義するのは良いのですが,そのまま残して解答を終えている場合3点減点しました。全電流で書き換えましょう。
(iii)
電流が円筒内を「一様に」流れている場合で磁場を計算している解答がいくつか見受けられました。これらの解答には少量の点数を与えました。
(4):5.19について。全体的に,単位の間違いは1つあたり2点減点しました。特に(c)は「単位長さ当りに働く力」だから[N/m]あるいは[N/cm]などのはずですが,[N]だけの解答が多く見受けられました。
なお,数値が間違っていても論理が正しければ部分点を与えています。
(i)
(a)について。テキストにおいて記号ρは体積「電荷」密度ですが,個数密度や質量密度を求めている解答が多く見られました。ただし,首尾一貫していれば部分点を付けました。しかし,個数密度の式から始めているのに電荷密度の単位がついているような解答については,点数を与えることが出来ませんでした。
また,同じく(a)について,銅の原子半径Rを調べてきて,原子が球体であると仮定して個数密度を計算している解答が多く見受けられました。しかし,そのほとんどは素電荷を1個の銅原子の体積で割って答えを出してしまっていました。これでは球で空間を埋め尽くしていることになってしまいます。
銅は面心立方格子を組むので,辺の長さが2×root(2)Rの単位格子中に4個の電子があるとしなければ正しく答えが出ません(ρ〜1.35×10^{10}[C/m^3])。もしくは,球の体積に充填率0.74をかければ1個でも計算は出来ます。この場合オーダーは合いますが,少し数値は違います(ρ〜2.46×10^{10}[C/m^3]になりました。なんでだろう?)。ちなみに前者の求め方で正しい答えを出していた人は1人だけです。後者の求め方で答えを出している人はいませんでした。
(ii)
(b)について。(a)が間違っていた場合,必然的に(b)も間違うことになるので,減点せざるを得ませんでした。
(iii)
(c)について。これは5.19の中でも比較的良く出来ていた問題でした。ただし単位忘れ多し!
(iv)
(d)について。何を問われているかがもっとも読み取り難い問題のようでした。特に「定常陽イオンを取り去る」という言葉に混乱してしまったのだと思います。私見(穐本)としては,確かに問題の誘導があまり親切では無いとは思います。
また,電荷は動いていたとしても静止した電荷と同じく電場を生み出すのか?,電流と同じ速度で平行に進んでいる座標系で見た時,磁場はなくなってしまうのか?!,銅線同士に働く力は本当は引力なのか斥力なのか?,などと考え出すと,ますます深みにはまりますね…
以上です。
満田
さんからのコメント
(
Date: 2005年
06月
28日
火曜日
17:02:32)
(1)Assignment#5(1)は、p295にある「Although
the magnetic force is responsible for establishing the EMF,
it is not doing any work. Who is supplying the
energy? 」に対する答えの内容を自身の言葉で解説せよ!(訳文を作ることではありません)です。
(2)Assignment#5(2)としてp293の問題7.6を出しました。
(3)Assignment#5(3)としてp300の問題7.9を出しました。
(4)Assignment#5(4)としてp300の問題7.11を出しました。
満田
さんからのコメント
(
Date: 2005年
06月
30日
木曜日
13:03:16)
Assignment#5(2)問題7.6ですが、EMFについて問題意識をもってどうしてだろう?と自身で考えてみてもらうために出しました。
EMFについては、「変動する磁場による」か「電荷の分離による」しか生成の方法はありません。
電池は「電荷の分離による」を巧妙に行うデバイスですがその場合でもファラデーの法則により生成される電場の周回線積分はゼロになっています。(問題7.6の設定でもやはりゼロになっていて、
(σ/ε0)hではありません)
その意味でHow
batteries work ?は面白い話ですので考えてみてください。
満田
さんからのコメント
(
Date: 2005年
06月
30日
木曜日
13:19:23)
誤解を与えそうなので修正です。
電池は「電荷の分離による」を巧妙に行うデバイスですがその場合でも、ファラデーの法則が教えるように、「生成される電場」の周回線積分はゼロになっています。(問題7.6の設定でもやはりゼロになっていて、
(σ/ε0)hではありません)
履修者
さんからのコメント
(
Date: 2005年
06月
30日
木曜日
23:48:20)
7.11についての質問です。
NOTEのところに
"determine
the actual numbers,in the units
indicated."
とありますが、勝手にループの厚さや辺の長さを決めて良いということですか?
満田
さんからのコメント
(
Date: 2005年
07月
03日
日曜日
00:16:43)
見落としていて応答が遅れましたが、「The
dimension of the loop cancel out」という意味は、Loopの一辺の長さL、Loopの断面積Aを設定しても、終端速度の表式にはCancel
outして現れないという意味です。「determine
the actual numbers,in the units
indicated」という意味は文字通り、Loopの素材であるアルミニウムの物質定数(Resistivity=
2.8×10^-8
[Ωm]、質量密度=2.7×10^3
[Kg/m^3])、外磁場B=1[T],重力加速度g=9.8[m/s^2]あたりを使いなさいということです。
ではしっかりとしたAssignment#5の解答を月曜日7/4(午後1時)までに提出してください。
履修者
さんからのコメント
(
Date: 2005年
07月
03日
日曜日
14:37:19)
分かりました。ありがとうございました。
AssignmentTA(穐本/島本)
さんからのコメント
(
Date: 2005年
07月
10日
日曜日
21:13:51)
Assignment#5の答案講評
今回は,大変平均点が低くなってしまいました。最初の問いである「抵抗に発生する熱(エネルギー)は一体誰が供給しているのか?」は比較的良く出来ていたのですが,Prob
7.6の問題設定の勘違い,およびtrick
questionのtrickに引っかかってしまった方が多かったということと,Prob
7.9の問題の意図を把握出来ていない方が多かったということが,その原因であると思います。Prob
7.11も良く出来ていたとは言い難いところです。
今回は論述問題が多かったので,一般的な注意を先に一つ:考えを論理的に表現するということは,他人に伝えることを意図する行為ですから,例え完璧に理解していたとしても,なるべく丁寧に書いて下さい。
(1):配点は,
最初の設問:10点,
Prob.
7.6:25点,
Prob.
7.9:25点,
Prob.
7.11:40点,内訳は
ループの終端速度が式で出せて8点
ループの速さの式が出せて8点
ループの終端速度の90%になるまでの時間が式で出せて8点
ループの終端速度を数値で出せて4点
ループ終端速度の90%になるまでの時間が数値で出せて4点
ループの一部分を切ったときにどうなるか答えられて8点
が満点です。
(2):最初の設問について。比較的良く出来ていました。ただし,説明があまりにも足りない場合は最終的な答えが合っていたとしても減点しました(2点〜5点)。減点部分に関してはコメントしてあります。
問題の本筋と関係ないことを一つ:「フレミングの法則から…」と書いている解答がいくつかあったのですが,「フレミングの法則」はローレンツ力の働く方向(つまり外積の向き)を“憶える”ための方法であって,例えば「Coulombの法則」が法則である,という意味での法則ではありません。ですので,フレミングの法則を論理の拠り所とすることは本来はできません。(減点はしていませんが)
(3):7.6について。
(i)
間違ってしまっている解答は,おおまかに二つに分類できます。
(a)
一つは,「コンデンサーとループは接触している」→「コンデンサーとループで一つの回路を構成している」と問題を勘違いしてしまっている解答群です。最終的な結論としての「電流は流れない」は正しいことは正しいのですが,もともと問われていることが違うので,残念ながら点数は挙げられませんでした。
(b)
もう一つは,「永久機関を作ってしまった」解答群です。起電力を定義式(7.9)に従って計算して,有限の起電力が生じると結論してしまっていました。結果のおかしさに気付いて「エネルギー保存則に反するから起電力は0」と結論している解答については10点与えています。
(ii)
面白い解答も,おおまかに二種類ありました。
(a)
一つは,「ループの導線には上下に電荷が溜まって,それ以上変化しないから起電力はゼロ」あるいはほとんど同じことですが「導線は導体で出来ているはずで,導体の内部の電場はゼロだから,周回積分(7.9)はゼロ」としている解答です。
殆ど正しいとは思うのですが,やはりfringing
fieldを考えないと分離した電荷はそのまま流れてしまうでしょう。外にはみだした部分のループ上のfringing
fieldの成分が分離した電荷をそこに押しとどめる,と解釈すべきだと思います。よって,このような解答であってもfringing
fieldについて言及の無いものについては,15点を与えることにしました。
(b)
もう一つは,起電力の定義式(7.9)と「∇×E=0」および「f_s=0」を用いて起電力がゼロとしている解答です。これは(7.9)の最後の式への書き換えのところで,f・dl=f_s・dlを示していることと同等です。
ここで,∇×E=0が成立していると言うためには,fringing
fieldを考える必要があります。そうでないと「コンデンサーの外にループがはみだしている」という状況を連続的に記述出来ません(表現が稚拙で申し訳ありません)。
「∇×E=0」という電場全体を考えて得られる局所的法則の成立条件について全ての解答には何も書いてなかったので,正解にすべきかかなり迷ったのですが,前述の解答とは違い数式の中にすべて含まれていると解釈出来るので正解としました。
なお,この解答群はおしなべて,(7.9)式を使う時「Faradayの法則より」と記述していました。テキストp302-303にあるように,Faradayの法則は(7.9)よりも多くの情報を含んでいます。ここでFaradayの法則を持ち出すのは,間違いではないにせよ,適切ではないと感じたので,コメントしました。
(4):7.9について。
問題の意味を取り違えている人が数人いました。この問題は磁束がある閉曲線を縁取る任意の曲面で同じになることを示す問題です。また、電流の定義式と比較して答えているものもありましたが、∇・J=0は常に成り立つものではなく、∇・J=0の場合でも電流がある閉曲線を縁取る任意の曲面で同じになることを直接示してはいないので5点としました。
(5):7.11について
終端速度を取り違えている人がいたので一言。この問題の終端速度は、ループが磁場の影響下から抜ける前に達する速度です。計算してみればわかるように、数ミリ秒で終端速度に限りなく近づきます。
今回は少し長くなってしまいました。すみません。以上です。
満田
さんからのコメント
(
Date: 2005年
10月
05日
水曜日
13:34:09)
(1)Assignment#1(その1)=問題3.3
(2)Assignment#1(その2)=問題3.17(a)
(3)Assignment#1(その3)=問題3.17(b)
出題意図は講義LOGを参照してください。
満田
さんからのコメント
(
Date: 2005年
10月
19日
水曜日
13:53:41)
(1)Assignment#2(その1)=問題3.10
(2)Assignment#2(その2)=半径RのGrounded
hollow sphere内に中心点から距離aの場所に点電荷qがある時のPotential問題
出題意図は講義LOGを参照してください。
AssignmentTA(穐本/島本)
さんからのコメント
(
Date: 2005年
10月
20日
木曜日
05:29:27)
Assignment#1(後期)の答案講評
今回は全体的に素晴らしく,満点の方がほぼ半分を占めました。
(1):配点ですが,
Prob
3.3については,
各座標のラプラス方程式を立てる。15点
微分の中を定数と置く。5点
方程式を解く。5点
で(i)極座標の場合、(ii)円柱座標の場合それぞれ25点満点です。
Prob
3.17については,
(a),(b)各25点,計50点,
が満点です。
(2):Prob
3.3について。
よくできていました。何人か問題を勘違いしている方がいましたが
それ以外はよくできていました。
(3):Prob.
3.17について。
良く出来ていたので,あまりコメントすることはありませんが,いくつか。
(i)
私(穐本)自身はこの問題はかなり難しい問題だと思います。一般的なLaplace方程式の解(3.65)から,任意の球形境界条件をおくと,式(3.69)のように係数を書き直すことができます。この時点では解の一般性は保持されているので(方位角対称性はありますが),物事は何も簡単になっていません。そこで境界条件が実際に球形でかつ一様だった場合に,物事が如何に簡単になるかを問うている,という事だと思います。
(a)
無限級数あるいは直交多項式の取り扱い方について。無限級数=定数だからといって,ある項だけが定数で後はゼロ,とは一般の無限級数の場合には言えません。しかし,多くの解答では,r=Rで電位Vが定数だから級数はθによらない,さらにP_0(cosθ)=1を考えれば,最初の項A_0(あるいはB_0)のみ残り,他のすべてのA_l(あるいはB_l)はゼロ,と結論付けています。単純なxベキの整級数ならそう言えますし,間違いではないのですが,直交多項式の場合,やはり係数A_lをまじめに議論すべきではないかと思います。
(b)
上述した点と関係しますが,r=RのところでA_lを議論して,なぜ他のrにおけるA_lも従うのか,これが直交多項式の便利さ,と言ってしまえばそれまでですが,その辺りも解答を詳しく書いて頂けたらなぁ,と思いました。
とはいえ,答えが最終的に正しい限り,この点に関して減点はしておりません。
(ii)
何通かあったのですが,極座標のLaplace方程式を解いている方がおられました。問題の意図とは異なる解答ですので,答えがあっていればという条件付きで,6割程度の点数を付けることにしました。
以上です。
AssignmentTA(穐本/島本)
さんからのコメント
(
Date: 2005年
10月
30日
日曜日
22:36:38)
Assignment#2(後期)の答案講評
全体的に良かったのですが,細かいところで減点せざるを得ないところがあったため,満点が多いとは言えない結果となりました。
(1):配点ですが,
Prob
3.10については,
任意の点(x,y)
(x>0,y>0)での電位V(x,y)が求められていて15点,
点(a,b)にある電荷に働く力について求められていて10点,
無限遠から点(a,b)に電荷qを運ぶ仕事が求められていて15点,
90°以外の場合の考察に関して10点,
計50点,
オリジナル問題については,
aとb,qのq'の関係で25点、ポテンシャルで25点,
計50点,
が満点です。
(2):Prob
3.10について。
まず,全般的なコメントとして:問題を良く読みましょう。
(i)
意外と電位V(x,y)を書いていない方が多く見受けられました。なお,z座標については式に入れても入れて無くとも減点はしておりません。
(ii)
無限遠から点(a,b)まで電荷qを持ってくるために必要な仕事については,求め方がいくつかあり,それぞれの論理に沿った解答がありました。
(a)
やり方1:線積分W=-∫F・dlを忠実に実行する。
このやり方の場合,線積分を計算する必要がありますから経路の取り方が重要になります。電場は保存力なので,どの経路をとっても答えは同じはずです。
私(穐本)は単純ですので,点(a,b)と原点を結ぶ傾きb/aの直線を経路に取って計算するということを選択しました。これは講評と言うより自らの間違いさらしですが,最初はimage
charge(s)を最終的な配置(点(a,b)のx,y軸対称な点に-q,原点対称な点にq)に固定したまま線積分を計算したので,正しい答えの2倍の答えが出て来てしまいました。しかし実際にはreal
charge qがどこにあろうと,image
charge(s)は同じconfigurationで置くべきものなので,(x,y)に働く力は基本的には(a,b)においた場合と変わらないということが言えます。結果として積分している最中にもimage
charge(s)は同時に動く,という少々気持ちの悪い描像が得られましたが,いずれにせよ正しい答えは出せました。ただ,この経路で仕事を計算した人はごくわずか(一人か二人)でした。
このやり方でのもっとも多い答えは,経路を(∞,∞)→(a,∞)→(a,b)という直線二つをカギ型にとっている解答でした。具体的には,最初にF_xをyを残したままxで積分して,その後yを∞に飛ばして,次にx=aでのF_yをyで積分する,という方法です。ただ,線積分ですから,ちゃんとベクトル線要素dl=(dx,dy)を考えて,「経路の前半はdy=0,後半はdx=0なので,内積F・dlはF_xあるいはF_yのみ残る」,と明記して頂ければ良かったのに,と感じました。この点について減点はしておりませんが。
(それにしても(∞,∞)→(∞,b)→(a,b)でもいいはずなのに,どういう訳か,すべてこの経路でした。)
(b)
やり方2:Textのeq.(2.40)からeq.(2.45)を使う。
これらの式の運用の仕方を間違ってしまっている人が多くいました。数え忘れていたり,1/2を付けていなかったり。さらになぜこの問題で求められている仕事が,導体が無くて電荷が4つあるという電荷分布を作るために必要な仕事の1/4なのか,理由を充分な説得力を持って提出している人がほとんどいませんでした。
1/4という数字は恐らく電荷の配置が空間対称なため,すべての象限に等分にエネルギーが分布しているためだと解釈すべきでしょう(例えば(2.45)で計算した場合)。私見としては,導体が完全導体なので,実際には表面上に誘起してくるであろう電荷は仕事ゼロで誘起され,対応するimage
charge(s)については空間配位を構成するための仕事が必要無い,が理由だと思いますが,いかがでしょう?
(iii)
最後の「90°以外ではどうか」ですが,「45°はこれこれでOKだが,135°では無理」など,例を挙げているだけの方は減点せざるを得ませんでした。傍証を積み重ねるのは重要なことですが,それだけでは論証とは言えません。実際「180°および0<θ<90°ならOK」と結論してしまっている方がおられました。しかし72°などは無理です。
理由なく「360°/2n,n=1,2,…ならOK」という結論を出している方が何人かおられましたが,答えがあっていてもあまりに理由が無さ過ぎる場合は減点しました。
(2):Original
Problemについて。
例題の結果を使ってよいということで皆さんよくできておられました。
ただ、例題の結果を天下り的に使っているためかaとbが反対の解答がやや多くありました。
(a)
この問題のポイントは、中空の導体球の内外の電場が静電場では互いに独立であるというところにあると思います。それはつまり導体球内の電場がポアソン方程式と境界条件だけで決まるということで、もしも境界条件を満たすように電荷を外側に置ければ電場が求まるというわけです。
(b)
レポートに質問らしきもの?が書かれていたのでここで答えます。
それは、"導体球の内側に電荷を置いた場合のポテンシャルの答えが導体球の外側に置いた場合の答えとなぜ一緒になるか"というものでしたが,自分(島本)が勝手に想像するとおそらく接地された金属球を置くということが数学の問題としてどのように置き換えられているかよく整理がされていないのか,もしくは一つ上のコメントのことがよくわかっていないのだと思います。(違ったらすいません)
この問題のように接地された金属球をおくということは、二つの境界条件を設定したことになっています。一つは境界でV=0。もう一つは、電界が境界に垂直になっているということ(つまり、電界の境界に対する水平成分の微分が0)。だからこそポアソン方程式が解けるのですが・・・。
以上のこととひとつ上のコメントのことを考えると、質問の答えは、電荷を内側に置く場合と外側に置く場合の境界条件を満たす電荷のおき方が一対一対応しているのだと思います。つまり本来は境界条件を満たせば、映像電荷はどのように置いてもよいはずですが、この問題では映像電荷の置き方が他にはなくたまたま一致しているのだと思います。
またまた少し長くなりましたが,以上です。
満田
さんからのコメント
(
Date: 2005年
11月
09日
水曜日
17:59:03)
Assignment#3(その1)として、
Dについてのガウスの法則(微分型)を立てる際に
体積拘束電荷密度ρbを取り込みながら、表面拘束電荷密度σbについてはなぜ考慮していないのか?を尋ねる問題を出しました。
Assignment#3(その2)として
問題4.32(p198)を出しました。
詳細は講義LOGを参照してください。
理大際がある関係で、締め切りをいつもより延ばすことができるので、この
Assignment#3に限り、
11月18日金曜日、午後1時とします。回収BOXは11月17日木曜日と11月18日金曜日に出します。
AssignmentTA(穐本/島本)
さんからのコメント
(
Date: 2005年
12月
07日
水曜日
16:55:29)
Assignment#3(後期)の答案講評
今回は70点台および80点台に答案度数が集中しました。つまり,問題4.32は良く出来ていましたが,オリジナル問題の方は苦戦した,ということになるかと思います。
(1):配点ですが、
最初のオリジナル問題は25点が満点で,
Prob.
4.32については,
(1)誘電体の内部の電場が求められて15点
(2)分極ベクトルが求められて15点、
(3)体積拘束電荷密度ρbが求められて12点、
(4)表面拘束電荷密度σbが求められて12点、
(5)全表面拘束電荷を求められて12点、
(6)どこに表面電荷を補う電荷が表れるか答えられて9点
以上75点満点です。
(2):問題「Dについてのガウスの法則(微分型)を立てる際に
体積拘束電荷密度ρ_bを取り込みながら、表面拘束電荷密度σ_bについてはなぜ考慮していないのか?」について。
(i)
多種多様な解答があり,正直言って採点するのがしんどい問題でした。翻せば解答するのも大変な問題だったと思います。
(ii)
一応の正答は,テキストのp.176下の文章に準拠しました。Gaussの法則にあらわれる体積拘束電荷密度ρ_bは,表面においては分極Pが不連続に変化するために発散しますが,表面を,例えば実際には有限の厚さを持つ領域であり,その中で分極が急激にかつ滑らかに減少してゼロになるとするならば,表面拘束電荷密度という物理量は出て来ません(ただ,下の※のところで示すように,ρ_bをσ_bに帰着させることはできます)。つまり不連続な点をぼかすことによって発散を回避することが出来ます。
また積分型の場合,表面を引き数とするデルタ関数を導入すれば,表面拘束電荷密度は体積拘束電荷密度と同じように取り扱うことが出来ます。このように積分型では両方考えるにも関わらず,微分型ではσ_bが出てこないように見える訳ですが,実際にはテキストにあるように,体積拘束電荷密度を考えれば十分であるということが分かります。この問題で問われていることは,体積拘束電荷密度が上位の物理量であるということの確認です。
※体積拘束電荷密度が表面拘束電荷密度に帰着すること
もし有限の厚さを持つ“表面”の中でPが(その大きさだけを考えたとして)滑らかに減少するならば,-∇・P=ρ_bも減少してゼロになるはずです。ここで法線方向をx方向とすればこの式は,-∂P_x/∂x=ρ_b(x)と書けます。仮に表面電荷密度を“表面”内で法線方向に積分したものとして,σ_b:=∫ρ_b(x)dx,と定義したとすると,積分の上端と下端はそれぞれ0とρ_b=(有限値)であるから,σ_b=P_x=P・nを得ます。これは表面拘束電荷密度の定義そのものです。
(ii)
問題は微分型について問うていますが,積分型のみを議論している方が見受けられました。微分型と比較として議論するのならば素晴らしいことですが,積分型だけでは減点せざるを得ませんでした。
(iii)
その他,解答内において直接はこちらの予期していたような議論を与えてはいないけれども,何らかの関係があり,正しい物理を議論している場合は,その程度に応じて部分点を付けました。コメントもその都度してあります。
(3):Prob.
4.32について。
線形誘電体についての問題ですが
(1)、(2)、(4)、(5)はほとんどの方ができておられました。
(3)はr=0を考えず、0とした人がやや多く見受けられました。
(6)では、(3)でr=0を考慮していないために中心付近に電荷が現れるという
答えがやや多く見受けられましたが減点はしていません。
その他の細かい間違いは減点しています。
以上です。
満田
さんからのコメント
(
Date: 2005年
12月
08日
木曜日
18:31:07)
昨日、授業中に出題したレポートをAssignment
(宿題)4の代わりにします。
このレポートを評価し、次次回あたりに講義中に講評をしますが、個別の返却はしません。
来週12月/13日(火曜日)の朝から午後4:30まで7F物理事務室の前に回収BOXをおいておきますので、出してください。
満田
さんからのコメント
(
Date: 2005年
12月
08日
木曜日
18:37:10)
レポートは:授業で解説したように、問題6.8では拘束電流J&Kの総和がゼロになっていましたが、「誘電体の拘束電荷について確かめた総和則(問題4.14:全電荷量はもともとゼロ!)」と同様に、磁性体における拘束電流についても総和則が成り立っているのか? を問いました。
(1)問題6.8と別の適当な磁化分布M(r)を自身で設定し、拘束電流J&Kの総和がゼロになっているか/いないか?を答え
(2)もし、一般的に総和則について何か言えるのならそれを説明する
順で、レポートを作成してください。必ずA4サイズで左上をホッチキスで止めること。表紙は不要です。学籍番号、名前をはっきり書いてください。