測定原理を説明する前に、今回用いる測定に類似した「磁場Bを測定する方法である」フリップコイル法を説明する。

半径a、巻き数nのコイルの面の法線を、一様な磁場Bと同じ向きになるようにおく。このコイルを180°回転(フリップ)させると、コイルを貫く磁束が「反転」するためコイルに誘導起電力が生じ電流が流れる。回路を流れる電流の時間変化はどのようにコイルを回転させたかに依存するが、この電流を時間積分して回路を通過した全電荷量Qを測定できる装置(積分型検流計 G)を用いれば、磁場Bは

と求められる。ただしRは回路の抵抗である。
課題1(実験前).フリップコイル法で求められる磁場Bの表式

を、回路に成り立つ微分方程式をたてて求めよ。ただし、コイルのインダクタンスをLとし、磁束が「反転」した場合の磁束の変化量は2φであることに注意すること。