『高畑勲をよむ』
内容紹介(企画書より)
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2015年9月1日、シンポジウム「高畑勲の≪世界≫と≪日本≫」(プロジェクト人魚・日本ハイジ児童文学研究会共催)が開催された。ここでは、日本文学研究者の加藤敦子、兼岡理恵による高畑勲氏へのインタビューとフロアからの質疑応答により、日本と西洋の文化に関する高畑氏の広範な知識と奥深い解釈、それを背景としたテレビアニメや映画製作への姿勢、そして高畑氏が思い描く映画の将来像の一端が語られた。こうしたものの見方や制作姿勢に裏打ちされた高畑氏の表現方法が、内外で高い評価を受け、「アニメは子ども向け/子どもだましの娯楽」というステレオタイプ・イメージに一石を投じたこと、新たな文化的価値を生み出したことは周知のとおりである。
本書の目的は、シンポジウムを通じて明らかになった、これまでの作品で高畑氏が提示した表現のあり方や、その背後にある文化・思想を多角的に論じることにある。すなわち本書は、高畑作品の制作プロセスや意義のみを問う「高畑映画論集」ではなく、「高畑氏の作品との関連」を共通項に、高畑映画自体を含む諸作品の表現のあり方・歴史・思想を対象に多様な文化を論じる「文化論集」である。
高畑氏インタビュー、小田部羊一氏・中島順三氏座談会の記録、人文系研究者の論文12本を掲載。これからの学術研究の可能性を視野に入れながら、高畑氏のテレビアニメと映画、その原作となった文学作品、映画や文学を取り巻くメディア環境を分析する。
編集後記
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・田中琢三:ハイジのブランコとアンガージュマン
・中丸禎子:送られてきた苗は、少しちっぽけだが、どんどん大きくなるだろう―表紙の話
講演記録
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・中丸禎子:第二刷刊行記念講演会「『高畑勲をよむ』をつくる~企画・執筆・編集 五年間の記録」
冊子版をご希望の方は、送料負担にてお送りします。画面左の「連絡先」記載のメールアドレス宛に、①氏名 ②住所 ③必要冊数をお知らせください。
記録(2021年8月6日合評会)
登壇者プロフィールはこちら-
・第2回合評会「細馬宏通「火と幽霊 『火垂るの墓』のアニメーション化について」を読み広げる
書評(2020年6月28日合評会)
評者プロフィールはこちら-
・宮下みなみ:田中琢三「高畑勲とフランス文学」
・齋藤萌:中丸禎子「わたしはおうきくなりたくない」
・厚見浩平:加藤敦子「物語・風流・浄瑠璃」
・宮下みなみ:兼岡理恵「「五コマ目」を紡ぐ」
書評(商業誌)
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・米村みゆき:「高畑勲作品を成立させる基盤――文学研究者による書物という銘打つ限り、その専門性が高畑映画の考察にどのような豊かな実りをもたらすのか」『図書新聞』3465号(2020年9月21日)所収、リンク先有料会員限定
・米村みゆき「高畑勲作品を成立させる基盤――文学研究者による書物という銘打つ限り、その専門性が高畑映画の考察にどのような豊かな実りをもたらすのか」(『図書新聞』3465号/2020年9月2日号に対する中丸禎子の見解(中丸個人HP「業績」蘭掲載)
ご紹介・ご感想
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・花鳥社:受贈図書
・文学通信:ブログ「頂いた本」
・秋草俊一郎さん:訳すのは「私」ブログ
・池田嘉郎さん:2020年9月16日付Facebook投稿
・読者からのご感想(クリックすると別ウィンドウで開きます)
三弥井書店
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